15: ◆HlJ8.vc/wE[sage]
2013/04/11(木) 02:21:45.25 ID:6wmlhGt00
『普通の兄妹に――――なりなさい』
あたし達の幼馴染に言われたこの言葉。
今になって、胸に突き刺さる。
この想いを告げた時、必ず不幸になる人がいる。
16: ◆HlJ8.vc/wE[sage]
2013/04/11(木) 02:22:13.02 ID:6wmlhGt00
「お、おう、ど、どういたしまして」
「動揺しすぎでしょ?あんた」
思わず吹き出してしまう。
17: ◆HlJ8.vc/wE[sage]
2013/04/11(木) 02:22:40.65 ID:6wmlhGt00
「もうこんな時間か」
「真っ暗になってんね」
「そろそろ帰るかぁ」
18: ◆HlJ8.vc/wE[sage]
2013/04/11(木) 02:23:30.57 ID:6wmlhGt00
「なあ、桐乃?」
「なに?」
「さっきさ、俺に礼をしてきただろ?」
19: ◆HlJ8.vc/wE[sage]
2013/04/11(木) 02:23:59.04 ID:6wmlhGt00
「……懐かしいな」
「……え?」
「覚えてるか?桐乃」
20: ◆HlJ8.vc/wE[sage]
2013/04/11(木) 02:25:14.15 ID:6wmlhGt00
「あぁ。ガキの頃、よく見てたよな?」
「あ、あんた、覚えてんの!?」
驚いた。そんな昔の事、覚えてたんだ。
21: ◆HlJ8.vc/wE[sage]
2013/04/11(木) 02:25:51.24 ID:6wmlhGt00
でも京介はきっと、あたしを妹だと認識している。
それが普通で当たり前なんだけど……。
「最近、よく思うんだけどさ」
22: ◆HlJ8.vc/wE[sage]
2013/04/11(木) 02:26:18.70 ID:6wmlhGt00
「時間はかかっちまったけど――。
今はまた“兄妹”に戻れた気がするんだよ」
23: ◆HlJ8.vc/wE[sage]
2013/04/11(木) 02:27:15.21 ID:6wmlhGt00
「だから桐乃。困った時はいつでも俺を呼べよ?」
「……え?」
本当は分かってた。こうなる事を。
24: ◆HlJ8.vc/wE[sage]
2013/04/11(木) 02:27:48.83 ID:6wmlhGt00
それは京介がさっき言いかけた答えでもある。
「“兄貴”が“妹”を守るのは当然だろ?」
京介からの兄妹宣言。それは絶対的な言葉。
25: ◆HlJ8.vc/wE[sage]
2013/04/11(木) 02:28:20.27 ID:6wmlhGt00
「さて、早く帰らねぇと」
「…………」
分かってた事なのに、頭では理解してたのに。
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