過去ログ - モノクマ「うぷぷ…安価でRPGをしてもらうよ!」苗木「その4!?」
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865:◇x/rxoIq2T6 [saga]
2013/07/23(火) 13:14:21.20 ID:ZylLiFb/0
「次、男子10番、設楽海斗君!!」

 

進藤の大声で、千尋は我に返った。
海斗の方を見た。
海斗はちらっと千尋の方を見た。
その目は、静かに怒りに燃えているようだった。
海斗は凪紗の方に視線を移し、すぐに千尋に戻した。

…うん、わかっているよ――

千尋は頷いた。
海斗はそれを確認し、デイパックを受け取ると、部屋を出て行った。

『千尋、海斗…凪紗の事、任せた!!』

大事な仲間が残した、遺言。
千尋と海斗には、それを守る義務がある。

海斗は絶対に外で凪紗を待っている。
放心状態の凪紗を出迎えるのが、先に出る海斗の役目。そんな凪紗を送り出すのが、後に出る千尋の役目。

「次、女子10番、曽根崎凪紗さん!!」

呼ばれたが、凪紗は気付いていない。進藤がもう一度名前を呼ぼうとしたのを制し、千尋は立ち上がり、凪紗の肩を叩いた。

「凪紗チャン…凪紗チャン?」

凪紗がようやく気付き、ゆっくりと千尋の顔を見た。

「ち…ひろ…?」
「凪紗チャンの番だよ、行かないと」
「あ…うん…」

凪紗は虚ろな目のまま、自分の鞄を手に取った。千尋は凪紗の耳にそっと自分の口を近づけた。

「外で、海斗クンが待ってるよ。海斗クンを見つけたら、すぐにここから離れるんだ、いいね?オレを待とうだなんて、思っちゃいけないよ?次は、あの得体の知れない転校生だから、危険だからね」

凪紗が驚いた表情で千尋を見た。

「でも、千尋…――」

パンッ

外で、1発の銃声が響いた。凪紗の肩がビクッと震えた。

「おーおー、始まったなぁ!!」

進藤が爽やかに笑みを浮かべた。今すぐ殴ってやりたいほど、爽やかに。

「まさか…海斗…っ」

凪紗が不安げな表情を浮かべた。千尋はにっこりと微笑んだ。

「大丈夫、多分… でもほら、行ってあげな、早く。オレのことは心配しないで、大丈夫だからさ」
「早くしろ!!」

田中(軍人)が銃を構えた。凪紗は田中をキッと睨んだが、すぐに視線を千尋に戻した。

「…千尋、絶対、会おうね…?」

千尋は頷いた。凪紗はデイパックを受け取り、教室を出ようとしたが、くるっと向きを変え、佑の亡骸の側にしゃがんだ。

「何している!!」
「…形見くらい、持って行ったっていいじゃない」

田中の方には目もくれずに言い、凪紗は佑の腕からリストバンドを外した。血を含んでいたが、それを自分の腕にはめ、凪紗は出て行った。

千尋は自分を睨んでいる進藤の視線に気付き、そちらを見た。
にっと笑って見せた。


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