過去ログ - モノクマ「うぷぷ…安価でRPGをしてもらうよ!」苗木「その4!?」
↓
1-
覧
板
20
870
:
◇x/rxoIq2T6
[saga]
2013/07/23(火) 17:00:09.68 ID:ZylLiFb/0
健太の異変に気付いたもみじが「健ちゃん…?」と名前を呼びながら健太のブレザーの袖を掴んだが、健太はそれを振り払った。
俺が咲良を護る。
麗じゃない、俺が、咲良を、護るんだ。
あんなヤツらに、傷付けさせてたまるか。
一歩を踏み出そうとしたところで、健太は腕を掴まれた。
振り返ると、そこには瑠衣斗の端正な顔があった。
いつもと変わらない無表情で健太を見下ろし(それでも眼鏡の奥にある双眸には、明らかに怒りの色が現れていた)、低く囁いた。
「木戸、下手に動くな」
「瑠衣斗…でも、咲良が…っ」
「城ヶ崎がついてるんだ、上野原は大丈夫だよ。
…木戸が考えてることはわからないわけじゃないけど、今は耐えろ。
お前に何かあれば一番悲しむのは上野原だ、そうだろ?」
咲良の悲しげな表情が脳裏を過り、健太は俯いた。
咲良の悲しむ顔なんて見たくない、彼女には笑顔が何よりも似合うのだから。
咲良を悲しませることなんて、してはいけない。
ぐるぐると渦巻く感情を吐き出すように、健太は大きく深呼吸をした。
少しだけ気持ちの昂りが治まり、小さく瑠衣斗に礼を言った。
向こう見ずな行動を起こそうとした自分を止めたのが、幼馴染の紗羅やもみじではなく瑠衣斗だったことを、場違いだが少し嬉しく感じた。
瑠衣斗との付き合いは中等部に入って間もない頃からだったのだが(中等部の入学式で代表挨拶をした“学年首席”の瑠衣斗に興味を持った麗が、無理矢理グループに引っ張り込んできたのだ)、瑠衣斗はいつも何を考えているのかわからず、健太や麗が可笑しいことを言って他のメンバーが笑っていてもクスリともしなかったので、もしかすると瑠衣斗には仲間意識はなくただ引き摺られてきたから一緒にいるだけなのではないか、と思っていた。
しかし、瑠衣斗は瑠衣斗なりに健太たちを見てくれていたのだ。
麗を信頼し、健太や咲良のことを気遣ってくれるその気持ちが嬉しかった。
「はいはい静かにー!
みんな、着席してえな、話が前に進まへんやんかー!
大丈夫大丈夫、アッキーもう撃たへんから安心して着席してなー!」
ライドがぱんぱんと手を叩き着席を促した。
“もう撃たない”なんてとても信用できるものではなかったが、皆がどうするべきかと互いの顔を見合わせて着席を渋っていると、アキヒロのみならずエツヤ(軍人)までもが銃を手にし、それを見たシン(軍人)が2人を宥めながら再度着席を促したので、1人また1人と席に戻って行った。
腰を抜かしていた悠希と南海は席の近い相葉優人(男子一番)や蓮井未久(女子十三番)に助けられながらどうにか着席し、麗たちもそれぞれの席に戻った。
麗と撫子に助けられながら席に着いた咲良は顕昌の亡骸をそこでようやく視認したようで、大きな瞳に涙を浮かべた後両手で顔を覆った。
その姿に、健太は心臓を何かで突き刺されるような痛みを憶えた。
全員が着席したのを確認し、ライドは咳払いをした。
「まあ、これで冗談やないってことはわかってくれたやろか?」
ざけんな、冗談じゃないことを証明するために顕昌は殺されたというのか――健太の中には憤りが込み上げてきたが、先程の瑠衣斗の言葉を思い出して何とか耐えた。
「どこまで話したっけ…あ、ここの場所のこと言ってなかったな!
シンちゃんエッちゃん、地図よろしくー」
ライドの指示を受けたシンとエツヤが、カゴ車に積まれたデイパックの1番上に乗せられていた丸めた模造紙のようなものを広げ、マグネットで黒板に貼り付けた。
その紙には左を向いた太ったひよこのような形が描かれており、その至る所に地図記号や細かな線が表記されていることから、地図だということがわかった
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
1002Res/807.22 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - モノクマ「うぷぷ…安価でRPGをしてもらうよ!」苗木「その4!?」 -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1365848407/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice