過去ログ - モノクマ「うぷぷ…安価でRPGをしてもらうよ!」苗木「その4!?」
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919:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/28(日) 14:12:40.58 ID:pqVm0HNu0
姫川奈都希(女子15番)はF=07エリアにいた。

奈都希は幼馴染の濱中薫(女子14番)と共に、C=07エリアで稲田藤馬(男子4番)と斎藤穂高(男子8番)、そして不破千尋(男子17番)と共にプログラムを潰し逃げ出す為の作戦の準備をしていた。
しかし、とある事情で今は別行動をしている。

事情――愛しい人を探す事。

隠しているつもりだったが、見事に千尋に見破られ、半ば強引に追い出された。

『行きたいなら、後悔したくないなら、探しに行くべきだね』

千尋が言った事は、その通りだと思った。
行かないで後悔するなら、行って後悔した方が良い。
もちろん、後悔する気は無いけれど――いや、無かったけれど。

奈都希も当然1時間ほど前にあった放送を聞いていた。
愛しい人――工藤久尚(男子6番)の名前が呼ばれていた。
とてもショックだった。
体の震えが止まらなかった。
それでも、涙は出てこなかった。
頭のどこかで、久尚の死を信じていなかったからかもしれない。

しかし――

奈都希の足元の砂は、赤黒く汚れていた。
教室でしたような血の臭いはしない。
地面に染み込み、乾いたのだろう。

そして、その汚れた血の上には、見慣れた人。

工藤久尚がうつ伏せで倒れていた。

久尚……

奈都希はその場に膝を付いた。

そっと久尚に触れた。
人とは思えないほど、冷たくなっていた。

ぐっと力を込め、仰向けにした。
カッターシャツの腹の部分が黒くなっていた。
他には傷らしきものが見当たらない。
腹の傷が致命傷だったという事だろうか。

頬に付いた土を払い落とした。
小石がめり込んで型ができていたが、それ以外はほとんど変わらない、いつもの久尚の顔だ。
眠っているように穏やかだ。

「久尚…何穏やかな顔してんのよ…
 アンタ、死んでるんだよ…?」

この傷がどれだけ痛いものなのかは想像もつかない。
ただ、今まで感じた事の無いような痛みだっただろう。
それなのに、どうして表情に出ていないのだろう。
死ぬ瞬間、何を考えていたのだろう。

奈都希は久尚の体を抱き寄せた(死後硬直の為にとても大変だったが)。
愛しい人の一度は触れてみたいと思っていた体は、生きている時に想像していたものとは違っていた。
本当なら、生きている時にこうしてみたかった。
『うわ、何するんだよぉ!!』とでも反応してくれただろうが、当然の事だが反応は無い。

「ごめんね、久尚…
 アンタ好きな人いたのかな…?
 だったら、ホントごめんね、あたしなんかがこんな事してさ…」

奈都希が久尚の事を好きなように、久尚も奈都希の事が好きだったという事は当然知らない。

「でもさ…ちょっとくらい…良いよね…?
 あたしさぁ…好きだったんだよ、久尚…」

当然の事だが、返事は無い。
それでも奈都希は続けた。

「ほら、修学旅行…グループ一緒だったじゃん?あそこで…言えばよかったんだけど……あたしにだって…照れとか不安とか…あったわけよ……」


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