過去ログ - 上条「二学期も不幸だ……」一方「いつも通りだろ」
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50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/04/20(土) 20:37:14.08 ID:7tbLVLLSO
「……え、えっと。病院に来てくれ、って。しすたーず? のその後の話もするから、だそうです」

(……あ、の、アホ親父……ッ!!)

『伝言』の内容を理解すると同時、頭の中で頭を抱えた。

言った本人は意味は分かっていないだろうが、佐天が『妹達』という言葉を知ったのは少し困った話だ。

おまけに佐天は電話の相手をこれまで知らなかった御坂の妹だと思っているようだが、
間違いなくそれは『妹達』の一人であり、ファミレスで奢ってやったアイツが電話してきたのだろう。

それを後で御坂に聞きでもしたら、とてつもなく面倒だ。

急速に思考をまとめる一方通行のことなど露知らずに、佐天は『普通』の疑問を投げ掛けてくる。

「……あの、御坂さんって妹さんがいたんですね」

「佐天」

佐天の言葉を最後まで聞かずに、一方通行は呼び掛ける。

「は、はい」

特訓の時とは違う雰囲気の声に、緊張した様子で彼女は応えた。

それを確認するよりも早く、一方通行は続ける。

「……良けりゃ一緒に来てくれ。ついでに紹介するからよ」

こうなれば仕方ない。

御坂美琴の『病弱』の妹、という設定(シナリオ)でごまかすしかないだろう。

無理に秘密にしたらこの少女はよけいに気になって他の人間に話してしまうかもしれない。

知り合って三日ほどしか経っていないが、それぐらいは分かる。

ならば、適当に秘密にする理由を作ってしまうまでである。

「い、行きます」

そんな一方通行の考えを知らないまま、佐天は素直に答える。

それに対して頷くと、一方通行は佐天を案内するために歩き出す。

これがこの夏最後の厄介事であってくれ、とこっそり願いながら。





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