過去ログ - 一方「俺は、オマエの事が、」垣根「………」
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10: ◆yZmHv5zrf.[saga]
2013/04/13(土) 22:59:40.49 ID:XPJ/0n/m0

研究者は、モルモット同士の会話を微笑ましく見るつもりになったらしい。
或いは、俺達二人が強すぎて、静観することに決めたのか。
少なくとも、俺達が会話をしている時に、邪魔をされることはなかった。

「かきね、さンぽしよォぜ」
「……でも、あるけませんし」
「おれがくるまいすおしてやる」

だから、一緒に行こう。

誘われるまま、車椅子を押してもらう。
外に出ると、空気が涼しかった。
長い前髪の隙間から見る空は、どこまでも青い。

車椅子に患者服、切らないままに伸ばされた長髪の少年。
白い髪に赤い瞳、目立つ黒い服に車椅子を押す少年。

どちらも悪目立ちはしていただろう。
だが、お互いしか見ていなかった俺達には、そんなことは関係なかった。

「オマエ、あるけるようになンねェの?」
「あしがあたらしくはえてこないかぎりは、むりですね」
「ふゥン」

相槌を打って、車椅子を押す一方通行。
何を想ってくれていたんだろう。



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