過去ログ - 一方「俺は、オマエの事が、」垣根「………」
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12: ◆yZmHv5zrf.[saga]
2013/04/13(土) 23:00:31.19 ID:XPJ/0n/m0

「アイスか。…くう?」
「おかねあるんですか?」
「ある」
「たべてみたいです」

研究所で育ったようなものだった俺と、元は一般学生だった一方通行とでは知るものが違う。
学園都市の街中を何も知らない俺に笑みを見せ、彼はアイスクリームを屋台の車から購入した。

「ほらよ」

差し出されたアイスクリームは、綺麗な白色をしていた。

「れンにゅうあじだって」
「あまいもの、ですよね」

俺の口調は、俺の研究していた木原病理譲りで。
一方通行の口調は、彼を研究していた木原数多譲り。

故に、研究所では『まるで二人のクローンが仲良くしているようで気味が悪い』と言われた。

「くってみろよ」
「あくせられーたは…?」
「オマエのひとくちもらえばそれでいい」
「そうですか」

もぐ。

かぶりついてみると、冷たくて甘い刺激が口内に満ちた。
自然と口元が緩み、幸せな気分へと変わっていく。

「おいしい、です」
「……ン、そォか」
「どうぞ」
「うまいならオマエひとりでくっていい」
「でも、あくせられーたがかってくれたものですから」



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