過去ログ - 一方「俺は、オマエの事が、」垣根「………」
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139: ◆yZmHv5zrf.[saga]
2013/04/27(土) 23:13:37.88 ID:q9FVza6u0

そうして、うだるような暑さの中。
夏の空気を反射して。

決断の時が来た。

有り体に言えば、実験の諾否を問われる日がやって来たのだ。
一方通行は沈黙の内に、後ろ昏い覚悟を自らに問い続ける。
本当に愛する人間の為に、誰かを殺害する覚悟だろうか。

いいや。
違う。

愛するものと向き合う為、安易で残虐な手段に頼らないという勇気について。

「答えは出たかね?」
「……俺は、参加しねェ」
「……つまり、垣根帝督を見捨てると?」
「アイツの名前を気安く呼ンでンじゃねェよ」
「…非常に残ね「それと」…?」

天井の言葉を遮り。
殺意と共に、告げる。

「現時点で存在している妹達を、一人でも"処分"してみろ。
 …不遇な扱いをした時点で、俺はオマエの首を捥ぐ」

殺す、という言葉を用いないところに、天井は強い恐怖を感じる。
引きつった笑みを浮かべて、頷く。
腹の底で、この少年をどう無理やり実験に参加させるか、その方法を練りながら。

「や、約束しよう。あれらを他実験には流用しない」
「…分かればイイ」

吐き捨てて、彼は研究所から外へ出る。
本当にこれでいいのか、と自問自答した。



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