過去ログ - 一方「俺は、オマエの事が、」垣根「………」
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14: ◆yZmHv5zrf.[saga]
2013/04/13(土) 23:01:33.90 ID:XPJ/0n/m0

「おいしいですよ、あまくて。ひんやりしていて」

幸せそうな笑顔で、垣根は俺にアイスを差し出してくる。
仕方がないので身をかがめ、かぶりついてみた。
甘く、ひんやりとした心地よさが口の中に広がり。
甘すぎるベタベタとした不快感が、口周りに残った。
それでも不愉快だ、とまでは思わない。
きっと、垣根が食べさせてくれたからだろう、と勝手に思う。

「あとはオマエがくえよ」
「はい」

えへへ、とはにかむ笑顔。
甘みがかった声と、長い髪。
コイツの性別は知らない。
『ていとく』なのだから、恐らく男だろう。
けれど、女かもしれない。
別に、知らなくても良いと思っている。
何にせよ、俺を恐れず、いつも楽しそうに接してくれるコイツのことが、俺は好きだった。

「いつか」
「はい?」
「ならンであるけたらいいな」

俺の能力では、コイツの脚は治してやれない。
硬くなったまま、二度と動かないこの脚は。

「そう、ですね。わたしも、あくせられーたと、ならんであるいてみたいです」

そうしたら、世界はもっと素敵に見えるでしょうか。

そんなことを言う垣根に、少しだけ泣きそうになった。


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