過去ログ - 一方「俺は、オマエの事が、」垣根「………」
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156: ◆yZmHv5zrf.[saga]
2013/04/28(日) 11:58:58.80 ID:nEg7j/j40

八月十五日。
御坂美琴は、"実験"について調べを進めていた。
そうしている内に、自らのクローンであるミサカ09982号と出会い。
文句を垂れる割に缶バッヂを返してもらえないまま、一緒にお茶をしていた。
どうせ受け取るならもっと喜んでくれたらいいのに、とむくれる美琴である。

「酷い味です、とミサカは不服を申し立てます」
「な!?」

9982号がすすっているのは、紅茶である。
一缶二万円もする超高級品にして、御坂美琴の奢りである。

「ちょ、ちょっと待ちなさい。それ二万円もするのよ!? 一缶!」
「不味いものは不味いのです、とミサカは正直に申し伝えます」

別に美琴にとっては痛くない値段だが、高級なものには違い無い。
それを無表情で不味いと一刀両断してしまう。
それも、奢ってくれた相手の目の前で言ってしまうのは不味いだろうと、姉として彼女は叱ろうとする。

(彼がご馳走してくださった甘ったるいあれの方が好みですし、とミサカは心中でぼやきます)

シングル ベンティ キャラメル アーモンド ヘーゼルナッツ
モカ ホワイトモカ チョコチップ エキストラホイップ
キャラメルソース チョコソース バニラクリームフラペチーノ

のことである。
あれは紅茶ではないのだが、要するに好みの違いである。
姉の説教をさららっと聞き流し。
そうして彼女は、時計を見やる。

"甘ったるいあれ"を奢ってくれた彼に、殺される為の準備を始めなければならない。

「バッチ、大切にしますから。お子様趣味のこれを、とミサカは言い捨てます」
「一言余計! …って、もう行くの?」

美琴にそう言い放ち、彼女は立ち上がる。
不味いと言いながらも全て飲み干したのは、美琴への義理だろうか。
9982号はこくりと頷いて、急いで駆け出した。

一人取り残された美琴は、符丁(パス)の意味を、考える。



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