過去ログ - 一方「俺は、オマエの事が、」垣根「………」
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162: ◆yZmHv5zrf.[saga]
2013/04/28(日) 12:01:07.70 ID:nEg7j/j40

「…今日、実験なンだ」

夜から深夜にかけて。
人を殺すのだ、という自覚と共に、彼は告げる。

「蘇生準備は、妹達の個体と一緒に済ませてある」

木原加群の理論を基軸として組み立てた蘇生装置。
学園都市第一位の頭に入っている知識全てを駆使して作ったものだ。
欠伸を噛み殺して飲み込み、もぐもぐとパンを食べる。
地味な咀嚼音が、呼吸音と共に個室に響いていた。

「無敵になったら、オマエの脚治してやるからな」

そして、起こして。
彼と一緒に歩きたい。
いつも通りを取り戻したい。

一方通行は、心からそう願う。
天才でも超能力者でも何でもなく。
愛する人を救う為に努力を続ける、ちっぽけな少年として。

「……オマエが起きたら、言わなきゃならねェ事もあるし」


すぅう、


息を吸い込み、『好きだ』と告げようとして。
御坂美琴の顔をした四人のクローンが、そろりそろりとドアの隙間から自分たちを見ている事に。
気がついた。

「……………」
「こ、これは」
「違うのです、とミサカは」
「あのですね」
「ついつい、とミサカは弁解しま」

あたふたとする彼女達に、一方通行は微笑みかける。

「もォ一回死ぬか? あァ?」

ガタッと立ち上がる一方通行。
慌てて逃げ出す妹達。
両者には、軽く笑みが浮かんでいた。
楽しんでいるのだ。ここに、本当の殺戮の意思はない。
異常な日常の中、加害者同士、被験者同士、被害者同士。
彼らは、平和だった。


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