過去ログ - 一方「俺は、オマエの事が、」垣根「………」
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190: ◆yZmHv5zrf.[saga]
2013/04/29(月) 17:20:55.81 ID:lUhgWgT60

ジャンケンで誰が勝ったか後で報告しろ、と適当に告げ。
9982号の経過観察も任せ、一方通行は病院へと戻った。
垣根は静かに眠っている。穏やかに、大人しく。

「……帝督」

顔を、近づける。
腰掛けたままのパイプ椅子が、ギシリと軋んだ。
垣根の体臭は、ほとんど点滴臭さに消されてしまっている。

「……」

『わたし、は。…わたしは、かきねていとく、です』
『まあな。お前が食いたいって言うから何度も何度も作っ、』
『死に、たくねえ。…まだ、お前と、並んで歩いてない、のに』
『強いストレスがかかっていたようだね?』
『日常的に、計り知れない程膨大なストレスを感じていたようだよ?』
 
笑う顔が好きだった。
泣き顔も好きだった。
怒る事は…ほとんど無かったが。
些細な言い争いが幸福だった。

くだらない毎日が。
つまらない日常が。

幸せだった。

「………俺が、助けてやる」

自分にしか、垣根は助けられない。
一定のペースで繰り返される呼吸。
唇は動かず、言葉を発さない。
必ず目を覚まさせるのだと堅く誓い。
ほんの少しだけ泣き出しそうになって、一方通行は、病室を出て行った。


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