過去ログ - 一方「俺は、オマエの事が、」垣根「………」
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◆yZmHv5zrf.
[saga]
2013/04/13(土) 22:58:06.47 ID:XPJ/0n/m0
机の上には、沢山の錠剤と注射器。
頭に突き刺す為の電極、及び部品。
薬臭い中、窓の外を見て過ごす。
それが、俺の、存在することを許された世界。
「………」
ぺた。
窓に触れる。
ひんやりとした、防弾ガラスの感触。
遠くには、学校のグラウンドで走り回っている少年達の姿。
俺と同じ歳の頃で、サッカーをやって遊んでいるようだ。
「……いいな…」
呟いて、視線を落とす。
俺は、車椅子に座っている。
大量の得体の知れない薬品を投与された結果、脚だけが蝋化したのだ。
ぶら下がっているだけのこの肉の塊は、もう、歩行のためには使用出来ない。
優秀な能力者を作り出せれば良い研究者は、俺のバイタルしか見ていない。
モルモットは死なない程度に実験を繰り返せれば、それで良いのだから。
「……わたし、も。…あそんでみたい、です」
少年達が何と言っているか、聞き取れない。
ただ、楽しそうに笑って、楽しそうにボールを蹴っていることはわかる。
あんな風に走れる足が欲しい。
あんな風に歩ける脚が欲しい。
自分で、脚を創り出せたなら。
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