過去ログ - 一方「俺は、オマエの事が、」垣根「………」
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◆yZmHv5zrf.
[saga]
2013/04/30(火) 01:44:37.11 ID:RCRgUrT40
八月二十日。
上条から離れ、美琴に手を引かれ。
10032号は、彼女と会話をしていた。
というよりも、責め立てられる感じだったが。
「…あの実験、まだ続いてるのね」
「回数が20000回に達していませんから、とミサカは答えます」
「死ぬの、怖くないの?」
「妹達は所詮単価18万円の―――お姉様の劣化模造品に過ぎません」
劣化模造品。
自らを物品扱いし、彼女はうつろな瞳で美琴を見つめる。
美琴はギリリと歯軋りをした。
掠れ掠れ、小さく、消え入りそうな声で言う。
「…アンタ達は、人間なの。私の、妹。…物なんかじゃない」
「……そのお言葉は有り難く受け取っておくべきなのでしょう。
ですが、我々が実験動物であることに変わりはありません、とミサカは反論します」
「私は、ッ」
「お姉様が何を思っても、実験は進みます。これは確定事項です、とミサカは注意します」
存在意義の邪魔をするな。
実験の妨害をしないでほしい。
迷惑だ。
言葉にはされていないし、表情にも出ていない。
だけれども、そんな雰囲気を、美琴は感じ取った。
「それでは失礼します」
丁寧に言って、頭を下げ。
10032号は、研修に戻るべく、立ち去った。
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