過去ログ - 一方「俺は、オマエの事が、」垣根「………」
1- 20
225: ◆yZmHv5zrf.[saga]
2013/04/30(火) 01:52:42.40 ID:RCRgUrT40

得体の知れない能力持ちの少年に、頬を殴られた。
数度顔面や腹部を殴られ、一方通行は咳き込んでいた。
悪運が良いのか、この男はなかなかどうして死なない。
直接触れて血液風船にしてやろうと思ったものの、殴られて。
そもそも何故コイツは自分の『反射』を突き破れるのだろうか。
一方通行は、困惑と混乱の極みに居た。

「何だってテメェみてえな野郎のために、妹達が食い物にされなきゃならねえんだ!」
「………」
「人を殺して楽しみやがって。あの子達だって生きてんだぞ!」
「………、」

男の声が、一方通行の耳に響く。
手足や目を欠損した妹達が、頭に浮かんだ。
確かに、自分は殺人者で、加害者だ。

だが。

「………ふざけンなよ、ヒーロー気取り」

こんな、何の苦労もしていなさそうな男に。
何がわかるのか。わかってたまるものか。

「―――俺がやらなきゃ、誰が帝督を助けるンだよ」

結局は。
一方通行という少年の全ては、そこに、収束する。
どれだけ手を血に染めても、取り戻したいものがあった。
手に入れたいものがあった。幸福が欲しかった。
幸福を追い求めて努力することの、一体何が悪いというのだろう。
偽善者風情に理解されてたまるか。自分の葛藤を、自分の苦悩を。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
334Res/135.85 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice