過去ログ - 一方「俺は、オマエの事が、」垣根「………」
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243: ◆yZmHv5zrf.[saga]
2013/04/30(火) 01:56:57.87 ID:RCRgUrT40

「あ……?」

一方通行は、自分が幻覚を見ているのかと、思った。
彼は、息切れしている美琴に軽く礼を言い。
そうして自ら車輪を回し、近づいてくる。
患者服を纏ったままの垣根は、一方通行に手を伸ばした。
自然な条件反射として『反射』を解除した彼の頬を、優しく撫でる。

「ごめん」
「……てい、とく」
「…遅く、なった」

全ては、垣根の『一方通行に迷惑をかけたくない』『一方通行が愛しい』、このワガママから産まれた喜劇。
それに対して謝罪する彼に、一方通行は力なく首を横に振った。
ずっと、ずっとずっとずっと堪えていた涙が、滲み出す。
ほとんど力の入らない脚で無理やり立ち、腕を伸ばした。
垣根の身体を抱きしめ、一方通行はぼろぼろと涙を流す。
垣根はすっかり筋肉の落ちた細い腕で、一方通行をしっかりと抱きしめ返す。

「ごめんな、一方通行。ただいま」

ぼろぼろに傷ついた愛する少年を抱きしめたまま。
垣根帝督は、唇を噛み締めた。





実験は、終わった。


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