過去ログ - 一方「俺は、オマエの事が、」垣根「………」
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◆yZmHv5zrf.
[saga]
2013/04/14(日) 14:27:34.90 ID:ebp2FfPg0
十三歳になった時。
俺達はこれ以上開発の余地無しとして、研究所から追い出された。
どこかに所属することよりも先に、暮らす場所について考えて。
「垣根」
俺に残されたものは、たった一つ。
たった一人だけ、絶対に守りたいものだけ。
だが、それさえあれば十分だった。
相変わらず、歩けてはいない。
それはそれで好都合だと思ってしまう俺は、歪んでいるのかもしれない。
「? 何だよ」
一緒に過ごしていた間に、垣根の口調は変わっていった。
それでもその笑みは変わっていなかったし、俺を拒否しない姿勢も変わらなかった。
「…、その、…あれだ、あれ」
「あれって何だよ」
告白は、流石に出来ないままに。
「一緒に暮らさねェかって、言おうとしたンだよ」
「…俺、車椅子のままだぜ?」
「構わねェよ、それ位」
車椅子を押すことなど、とうに慣れた。
思うままを言う俺に、垣根は幸せそうに笑う。
この笑顔を守る為なら、きっと何人でも殺せると、感じた。
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