過去ログ - 一方「俺は、オマエの事が、」垣根「………」
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283: ◆yZmHv5zrf.[saga]
2013/05/03(金) 21:38:02.35 ID:jbOOH2gx0

行く場所は水族館。
ルートは既に決めてあり、一番混んでいない時間帯を選んで調整されている。
待ち合わせているベンチに座り、一方通行はぼんやりと考える。
ぽつりと呟くのは、重い罪悪感から出たものだ。

「……こンな手で、アイツの手を握ってイイのか」

こんな、穢れた手で。

思い出すのは、あの少年の言葉。

『何だってテメェみてえな野郎のために、妹達が食い物にされなきゃならねえんだ!』
『人を殺して楽しみやがって。あの子達だって生きてんだぞ!』

「………」

全員を蘇生させたとしても。

『……妹達に傷を付けたことは、許さないから』

妹達には恨まれていないとしても。
彼女達を自分の為に一度殺した事には、何の変わりもなくて。
彼女達の手足をもぎ、目を抉り、痛い思いをさせ、苦しめたことには、変わりなくて。

「………」

殺人者の手。
汚らしい手。

こんな手で、彼の手を握って良いのか。
こんな手で、彼の頭を撫でて良いのか。
こんな手で、彼の手を引いて良いのか。

「…………」

思考が泥沼に沈み込みそうになる。


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