過去ログ - 一方「俺は、オマエの事が、」垣根「………」
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285: ◆yZmHv5zrf.[saga]
2013/05/03(金) 21:40:11.55 ID:jbOOH2gx0

「…俺は…」
「……い」
「……、…」
「…おい、一方通行」
「ッ!?」

急に声をかけられ、びくりとする。
気がつけば、目の前には垣根の姿があった。
いつになく完璧に整えられた容姿は、女性なら一目で恋に落ちる事だろう。
仮にそういったケの全く無い男性だったとしても、目を惹かれるに違い無い。
彼は一方通行がようやく返事をした事に機嫌を良くして、微笑む。

「何回呼ばせるつもりだよ。寝てたのか?」
「寝てねェよ。……、…その、」
「一方通行」

垣根の手が、伸びてきた。
先程までの悩みの種であった一方通行の手を、迷いなく握る。
彼は手を握ったまま、真っ直ぐな視線を赤い瞳へ向けた。

「改めて言う。…ごめん。悪かった」
「……、…俺が勝手にやったことだ」
「それでも、俺がああならなかったら、一方通行は誰も傷つけないで済んだだろ」
「…………」

否定は出来ない。
むしろ、肯定しか出来ない。

「……、」
「…妹達に、謝った。手を下したのはオマエでも、原因というか、きっかけは俺のせいだって」
「……」
「知ってました、応援していましたから、ってしれっと言いやがって。
 …俺達が重荷に考えてるのがバカバカしくなる程に軽く」

垣根は少し考えた後、言葉を付け加える。
一方通行の精神的な重きを共に背負おうとしている、それだけだ。

「冥土帰しによると、俺の能力は突き詰めれば治療に使える可能性があるらしい。
 ……だから、もし未元物質で人体の補填が可能になったら」

妹達の身体を治して、二人で謝ろう。

そんな優しい申し出に、一方通行は、唇を噛み締めた。


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