過去ログ - 一方「俺は、オマエの事が、」垣根「………」
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302: ◆yZmHv5zrf.[saga]
2013/05/04(土) 22:38:35.93 ID:MPNNem130

ぼふり。

布の音を立てて。
一方通行は、ソファーの背もたれへ手をついた。
顔が至近距離に近づいて、双方共が固まる。
自然と緊張が高まり、言葉が出なくなった。

告白はした。
お互いの想いは確認した。
つまり、付き合っているのだ。
恋人同士なら、身体的接触が濃厚であっても良い筈だ。

「あ、あく、」

待ったをかけられる前に、唇を重ねる。
一方通行は濃厚なミントの味に苦笑いしそうになり、堪える。
甘さを僅かに帯びた唾液の味がして、背筋が震えた。

「……ン、」
「ぁ……」

唇が離れる。
ほんのわずかばかり、糸が引いた。
知らず知らず物干しげな表情になっていたことに気がつき、垣根は視線を逸らして沈黙する。
どうしようもない羞恥の炎が、内面を焼き尽くしていた。


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