過去ログ - 一方「俺は、オマエの事が、」垣根「………」
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47: ◆yZmHv5zrf.[saga]
2013/04/14(日) 21:03:58.59 ID:dHq83Bln0


「アクセラ、レー、タ」

ドサリ。
バタリ。

人が倒れる音というのは、存外重いものだった。

「か、きね?」

俺に向かって伸ばされた手。
細い手指が、力なくフローリングに落ちた。
呼吸は浅く、瞳は虚ろで、何度も咳き込んでいる。
身体中の血液の向きが、逆向きになったかのような。
衝撃と湧き上がる垣根が死ぬという恐怖に、思わず怯えた。
怯えながら、慌てて携帯電話を取り出す。

「きゅう、きゅうしゃ、」

学園都市第一位の脳が、まともに働いていなかった。
携帯電話、その数字を三度押し、耳にあてがう。
垣根の手を握り、バイタルを計測してみた。
何の異常も見当たらないのがかえって不気味で。

「あ、たま、痛い、」

言うべきことは伝えた。
まもなく救急車がやって来るはずだ。
俺は携帯電話を放り出し、垣根の手を握った。
低体温症にでもかかっているのか、氷のように冷たい。

「垣根、大丈夫だ、もォすぐ救急車来るからな」
「……お、れ、…どう、なって…?」
「わかン、ねェ。……悪りィ」

ぼんやりとした表情で、垣根が数度咳き込む。
背中をさすって、抱きかかえた。



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