過去ログ - 一方「俺は、オマエの事が、」垣根「………」
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◆yZmHv5zrf.
[saga]
2013/04/14(日) 21:03:58.59 ID:dHq83Bln0
「アクセラ、レー、タ」
ドサリ。
バタリ。
人が倒れる音というのは、存外重いものだった。
「か、きね?」
俺に向かって伸ばされた手。
細い手指が、力なくフローリングに落ちた。
呼吸は浅く、瞳は虚ろで、何度も咳き込んでいる。
身体中の血液の向きが、逆向きになったかのような。
衝撃と湧き上がる垣根が死ぬという恐怖に、思わず怯えた。
怯えながら、慌てて携帯電話を取り出す。
「きゅう、きゅうしゃ、」
学園都市第一位の脳が、まともに働いていなかった。
携帯電話、その数字を三度押し、耳にあてがう。
垣根の手を握り、バイタルを計測してみた。
何の異常も見当たらないのがかえって不気味で。
「あ、たま、痛い、」
言うべきことは伝えた。
まもなく救急車がやって来るはずだ。
俺は携帯電話を放り出し、垣根の手を握った。
低体温症にでもかかっているのか、氷のように冷たい。
「垣根、大丈夫だ、もォすぐ救急車来るからな」
「……お、れ、…どう、なって…?」
「わかン、ねェ。……悪りィ」
ぼんやりとした表情で、垣根が数度咳き込む。
背中をさすって、抱きかかえた。
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