61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/04/20(土) 17:36:51.51 ID:durMsIrR0
『むーりぃー』
いつからか、それが乃々の口癖になっていた
本当にやりたくないわけではない、むしろ自分が望むことな場合もある
それでも、自分に自信が持てない
うまく行かなかったらどうしよう
そんな不安から乃々は常に予防線を張って生きてきた
何がきっかけだったのかは覚えていない
たいしたことではなかったのかもしれない
ただ、大勢の前で笑われたことだけが記憶に残っている
周囲が自分に期待をしないように
そして、自分自身に期待をしないように
いつしか乃々が望んだように世界は変わっていった
誰も自分には期待していない
もちろん乃々自身も含めて
日常は色褪せて淡々と流れていったが、恥をかくよりはいくらかマシだと思っていた
『もし君がよければアイドルやってみない?君なら絶対に上までいける』
親戚が連れてきた男に初めて会って言われた言葉
久しく聞いていなかった期待の言葉
なによりも『自分がアイドル』
そんな少女マンガのような出来事になぜか胸が高鳴った
それが乃々がアイドルになったきっかけだった
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