過去ログ - 明久「君といる未来のために」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/04/19(金) 09:47:05.75 ID:Ch1K8Lxl0
12月24日PM7時 駅前の時計台下
街をきらびやかに照らしているネオン、嬉しそうに腕を組み微笑みあいながら行き交う恋人たち。
吉井明久は、そんな恋人たちを目で追いながら、ふと時計に目をやった。
「7時か…」

雄二「メリークリスマス!!」
一同「メリークリスマス」
同刻頃、雄二、秀吉、ムッツリーニ(康太)、瑞希、美波、愛子は翔子の家で、クリスマスパーティーを楽しんでいた。
美波「ケーキ!ケーキ!」
秀吉「うむ、このチキンは、格別じゃ」
愛子「このシチュー、僕が作ったんだよ!どう?ムッツリーニ君??」
康太「…なかなかやるな、工藤愛子」
愛子「えへへ。あっ、弟君、そのチキンは愛子が焼いたんだよ」
秀吉「そうじゃったか。霧島!すごいのう、おいしいのじゃ!」
翔子「ありがとう。雄二、おいしい?」
雄二「工藤!このシチューうまいてててて、おいしいです、チキンすっごくおいしいです」
翔子「雄二のために愛情いっぱい入れたから」
雄二「…」
瑞希「お二人ともアツアツですね」
雄二「…(こいつは徐々にFクラスに感化されてきているのが、最近特に顕著だ)」
美波「そういえばアキは?今日どうしたの?」
瑞希「明久君何かようじですか?」
雄二「ああ、明久は昨日朝一で電話があって、今日は来れなくなったそうだ」
瑞希「残念です、せっかく明久君のためにガトーショコラを作ってきたのに…皆さん、どうぞ食べてください…」
雄二「このケーキうまっ、島田が買ってきたのか??つい食べ過ぎた、甘いものはもう十分だ」
秀吉「わしも甘いものは苦手でのう、甘いもの好きの明久がいなくて残念じゃ」
康太「…もうシチューで満腹」
翔子「大丈夫、冷蔵庫に入れておけば明日まで持つ、明日吉井に渡せばいい」
瑞希「ありがとうございます、翔子ちゃん」
康太・雄二・秀吉「明久も喜ぶ!(ぞ!)(のじゃ!)」(…助かったぁ)
瑞希「はい、明日西村先生の補習の時に、明久君に渡します。」
翔子「私も明日雄二に差し入れ持ってく」
雄二「お前は補習ないだろ」
翔子「雄二が登校するなら休日でも登校する、雄二が登校しないなら平日でも登校しない。明日はクリスマス、夫に寄り添うのが妻の役目」
雄二「…(一難去ってまた一難)」
愛子「そういえば優子はどうしたのかな?弟君何か知らない?」
秀吉「えっ、あのじゃな…(姉上は一昨日家に帰ってきてからトイレと風呂以外は食事もせずに一度も部屋から出てきていないが、言っていいのかのう)」
翔子「優子は、どうしてもはずせない用事が出来たって、メールがあった」
愛子「そっかぁ、優子のシシカバブ食べたかったなぁ」


PM7時30分・駅前の時計台下
「寒さが身にしみるや」
明久は、かじかんだ手をポケットに入れ、指輪が入った箱を握りしめ待っていた。
さっきまで自分と同じように一人佇んでいた男たちも、やがてそれぞれの思い人がやってきて、街へと消えていった。

時を遡ること2日前
体育館裏の大きな木の下にて。
優子「大事な話があるから放課後に体育館裏の大きな木の下に来てくれって、告白!?名前も出さずに出してくるなんていい度胸ね、どうせ私宛じゃなくて秀吉宛とかっていうオチだろうけど」
優子は何の期待もなく、またどうせいつも通りの弟宛の告白のつもりが何かの間違いで自分が呼び出されたのだろうと、少しイラついていた。
「木下さん!」
優子「吉井…君?」
「木下さん、僕大事な話があるんだ!」
優子「えっ?」
「僕はずっと前から、君のことが好きだった。僕と付き合って下さい。」
優子「えぇっっっ〜?」
優子「吉井君、今誰に告白している?」
「木下優子さん、僕と付き合って下さい」
優子は予想外の、かつてない体験に、どうしたらいいか分からなくなっていた。
相手は学園一のバカで、バカの代名詞である観察処分者の称号を唯一在校生で得ている者。
仮の姿ではあるが、学校を代表する優等生として猫をかぶり、ここまでの地位を築いてきた自分にとって、この男とつきあったところで、いいステータスには決してならない。
しかし、初めて秀吉でなく自分を好きになってくれた、その想いを真剣に伝えてくれた明久に対し、自分も真剣に向き合いたいと、そう思った。
優子「吉井君、ありがとう。でも突然のことですこし戸惑っちゃって、明日一日考えさせてもらってもいいかしら?明後日結論をだすわ」
「じゃあ、明後日の夕方6時半に、駅前の時計台の下で待ってるから、そこで聞かせてよ。あと、木下さんが出した答えなら、僕はどんな答えでもうけとめるよ。」
そう言うと明久は校舎の方へ走って行った。




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