過去ログ - 明久「君といる未来のために」
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/04/19(金) 09:58:09.40 ID:Ch1K8Lxl0
12月22日、木下邸
バタンッ
秀吉「姉上、お帰りなのじゃ」
優子「…」
トントントントン、バタンッ
秀吉「(姉上のやつ、いつもなら鞄を放り投げてスエットに着替え、居間でBL本を読み漁るというのに、今日は様子がおかしいのじゃ。こんな時、力になってやりたいのもやまやまじゃが、無理にこじ開けても仕方ないのう、姉上が心の扉を開いてくれるまで待つとするかの。)」

優子「はぁ、吉井君。何回か接する機会はあったけど…そういえば、秀吉に影武者として学園のPVに出てもらったとき、吉井君私のこと秀吉だと思って『秀吉のお姉さんって美人だし、すごいよね』とかって言ってたっけ、あの時は秀吉のせいで吉井君のこと締めちゃったけど、あの時も私のこと(秀吉の影武者だったけど)見ててくれてたんだ。」
優子「そういえば、私がお気に入りのハンカチ落としちゃったとき、何でか分からないけど、ボロボロになりながら落とし主を探してたっけ、自分が落し物をするだらしない女って周りから思われたくなかったから名乗りだせなかったけど、何故か愛子が名乗りでて、あとでこっそり私に渡してくれたんだったっけ。」
優子は明久との接点を、夜が明け日が昇り、そしてまた夜が更けさらにその夜が明けるまで一つ一つ深く思い返していた。

12月24日PM6時30分 木下邸
秀吉「行ってくるのじゃ」
優子は秀吉の声で目が覚めた。
優子「うーん、よく寝た。今何時かしら、あぁ6時半ね、って約束の時間じゃない!!」
髪はボサボサ、着ていく服も決まっていない、優子はとりあえずシャワーを浴びるべく、1階へ降りた。
どうしようと考える間もなく、とりあえずシャワーを浴び、一番お気にりの服に着替え、時計に目をやった。
PM7時8分
優子「吉井君帰っちゃったかしら、寒い中待っていて凍え死んでないかしら、遅刻する女に幻滅してないかしら。」
優子は、家のドアを開け、バス停へと走った。
優子「駅へはバスで30分、今日はイブだし、渋滞に巻き込まれなければいいけど。」

PM8時 駅前の時計台下
「来ないかなぁ、僕は観察処分者だし、美人で成績優秀、スポーツ万能の木下さんとじゃ、僕とは釣り合わないのかなぁ」
サンタからの恋人たちへのクリスマスプレゼントであろうか、街はだんだん雪色に染まって行き、12年ぶりのホワイトクリスマスとなった。
「こうなることなんてわかっていたことなんだ、僕がもっと頑張っていれば…」
明久はプレゼント箱を握りつぶした。
木下さんには、成績優秀でイケメンな、そう、久保君みたいな人じゃないと、釣り合わないんだ。
僕の知らない大きな影に寄り添いながら、勝ち組の人生を送っていくんだ。
明久はしゃがみ込んでうつむき、肩を落としていた。
今日のことを思い、緊張して一睡もしていなかったこともあり、そのまま眠り込んでしまった。
「白い雪もいつか溶けて、明日を描く」
いつか僕にも春がやってくるだろう

PM8時42分
優子「結局2時間以上遅れちゃったわ、せっかく吉井君が私を好きになってくれた、私も吉井君を好きになった。なのにどうして、どうして私は…」
駅員「君!しっかりしなさい、こんなところで寝てしまっては、死んでしまうよ!」
優子「こんなとこで寝るなんてとんだバカがいるものね、…バカ?、吉井君?」
優子は駅員のところへ駆け寄った。
そこには、疲れ果ててすやすや眠っている明久の姿があった。
優子「すみません、その人私の彼氏なんです、私が遅刻しちゃって…」
駅員「そうかい、彼3時間もここにいたから、心配していたんだよ、それで、ちょっと目を離したすきに…疲れていたんだろう。彼女さんの顔を見れば、それもふっとぶだろうけどさ。」
優子「吉井君、起きて、吉井君!」
「うーん、むにゃむにゃ、雄二、ここは何の川だっけ?」
優子「吉井君、その川は渡っちゃダメ!戻ってきて。」
「むにゃむにゃ、木下さん!?来てくれたんだ。」
優子「吉井君ごめんなさい、遅れてしまって。」
「木下さん、来てくれてうれしいよ。」
優子「吉井君、いえ、明久君、一昨日のお返事ですが、私と付き合って下さい!!」
「そうだよね、木下さんが僕と釣り合うわけな…って、はい、よろしくお願いします!!!」
明久は少し混乱しつつも、ポケットの中でさっき握りつぶしてしまった箱から、器用に指輪だけ抜き取り、優子に渡した。
「木下さん、はい、僕からのクリスマスプレゼント」
優子「ありがとう、ちょうどぴったしだわ、左手の薬指に…」ぽっ
「僕がつけてあげるよ」
そういって、明久は優子の左手の薬指に指輪をはめた。
優子の目から、涙があふれ出した。
優子「私、明久君が寒い中待っていたのに、遅れちゃって、せっかく秀吉でなく私を好きになってくれたのに、せっかく両想いになれたのに、こんなことになっちゃって、」
「そうだね、なら、これからずっと、一生、僕たちがおじいちゃんおばあちゃんになっても、僕と一緒にいてよ、そうしたら今日のことは、許してあげるよ」
そういって明久は優子の涙をかき消すかのように、優子のあたまを自分の胸に抱き寄せた。
しばらく抱き合った後、二人は手を取り合い、夜の街へ消えていった。

とりあえず終了です。
感想、批判、指導頂けたら幸いです。


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