過去ログ - 錆白兵「ここはどこでござるか……」神裂火織「必要悪の教会女子寮ですが……」
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13: ◆4ipphlbOc2[sage saga]
2013/04/21(日) 01:50:16.73 ID:hIA84u8D0
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「時に、先日いらっしゃった錆白兵さんとおっしゃるお方はどういったお方だったのですか?」


オルソラは神裂と一緒に武器屋に行く道で、そう尋ねた。


「一昨日、いきなり女子寮に現れたそうな」

「ああ、あの人ですか」


神裂はつい先日…厳密には三日前だ。


「どんな人かと訊かれても、一言二言では説明しづらいですね。まぁ、強いて言うなら古風と言うか、古典的な人でした。江戸の世からタイムスリップしてきたような感覚でしたね」

「エド……ですか。エドと言えば、フジヤマ、ウキヨエ、ゲイシャ、スシ、スキヤキですね!」

「オルソラ……すき焼きは明治時代以降です……」

「メイジ? チョコレートですか?」

「………それは後々教えましょう」


因みに日本が開国した後、ヨーロッパにジャポニズムと言う一大ブームが巻き起こった。イギリスとフランスでは爆発的だったが、イタリアはどうだったのだろうか。


「それより、今は錆白兵さんです。私はあの日、寮にはいなかったので、詳しく教えてもらえないでしょうか。とても興味がございます」


『ここはどこでござるか……』

『必要悪の教会女子寮ですが……』


神裂はあの後の事を思い出すと頭痛を堪える表情をした。


「何も話す事は無いですよ。あの人は、爆発と煙と一緒に現れて、お腹が減っていた様なので鯛茶漬けを与えたんです。すると、『何かお礼をしたい』と言ってきたのですが、話だけを聴いただけです。正直、頭が痛かったです。殆どの口調が『ござる』で、『自分は剣客だった』とか『一度自分は死んでいる』とか、訳の分からない事ばかり話されました。きっと、そう言う人なのでしょう。英語が喋れなかったので、私は助けたいのは山々だったのですが……」

「………もしかして、出て行ってしまったのですか?」

「ええ、私が難しい顔をすると――――」


『助けて下さった貴女にこれ以上迷惑を掛けたくはない。これからは、自分一人で大丈夫でござる。――――……一飯の御恩、必ずや返させて頂きます』


「――――と言って……」

「まぁまぁ」

「あれから心配なのです。日本語が全く通じない英国でただ一人彷徨うなど、正気の沙汰ではありません。ましてや、銃を持っているギャングがウロウロしている裏路地に迷い込んでいないかと思うと、恐ろしくて恐ろしくて」


もう一度神裂は溜息をつく。


「―――っと、いつの間にか着いてましたね。そう言えば、オルソラはまだ来た事がありませんでしたね。ここが武器屋です」

「ああ、こんな所にあったのですね」


人間、何か単純作業を話しながやっていると、いつの間にかそれが終わっている、という事が多々あるが、道を歩くのも同じことだ。

覚えている道を話ながらただ単純に歩いていると、いつの間にか目的地が目の前にある。


「意外と普通なのですね」


オルソラの感想は的を得ていた。

目の前にあるのはRPGに出てきそうな斧やら刀やら槍やらが立て掛けてあるのでも、小洒落たバーでもなく、普通にどこにでもある『お店』だった。



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