過去ログ - フレンダ「結局、全部幻想だった、って訳よ」 Part.2
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/21(日) 03:00:18.63 ID:QHlQWnBuo
 ああ、自分は夢を見ているのだな。
 彼女は瞬間的にそれを理解する。

 空は快晴。 ジリジリと陽の光が地面を焦がす。
 目の前には、少年が、そして少女がいる。
 目の前、とは言ったものの厳密には遠目から。 まるで自分は保護者のように見守っているような心地なのだが。
 彼らは二人きりで遊んでいた。
 この年代は大体遊ぶ時には複数なのだが、それをまるで気にせず、楽しそうに戯れている。

 懐かしい。
 そして温かい。
 じんわりと、心に染みこんで。 彼女はその感傷に浸る。
 自身の事の様に、心を動かす。

 当然だ。
 これは、かつての再現。
 十年にも及ぶ、長い長い旅路のその始まり。

 過去を変えたい、なんて思ったことはない。
 細かいことは変えたいと願ったことはあるかもしれない。
 例えば、ちゃんと勉強すればよかった、夜更かしをせずに寝てればよかった、とか。 その程度のことだ。
 しかし大きく、例えば根本から変えよう、などと思ったことはほんの一度たりともない。
 そんなことをしたなら、否定することになってしまうから。
 あの、今はツンツン頭になっている不幸な少年との全てを、要らないと切り捨ててしまうことになってしまうから。

 けれど。
 もし、仮に、万一。
 ここで、少女と少年を無理矢理にでも引き離したら?
 彼女は過去を目の前にして、そう思わずにはいられない。


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