過去ログ - モバP「なにげなくなやむしゃちょうのいちにち」
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12: ◆C7ms5oNKB6[saga]
2013/04/22(月) 12:03:18.10 ID:CqYQHVO70

事務所に到着すると、みなが私を迎えてくれた。

ああ、彼ら…彼女らは、私を10円玉とは思っていない。
そう。きっと、そうだ。多分。そのはずだ。

「おはようございます!社長」

プロデューサーの彼が元気に私に挨拶をする。
悩みを抱えている私は彼の頭頂部に目を移す。

さらりと綺麗に生え揃った髪。
縮れることなく、程よく弧を描く髪。
私は彼の髪がうらやましく仕方がなかった。

『ああ、社長。おはようございます』

ちひろくんも明るい声で挨拶をしてくれる。
彼女もまた、美しい髪を持っていた。

さて、どうやって手がかりを掴もうか。
社内共有のPCで技術増毛体験を調べるのはよろしくない。
勘がよくなくても、髪に悩んでいそうな人間は私くらいだと気付くだろう。

まずは、仕事をしなくては。




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