過去ログ - 商人?いいえ何でも屋です。
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241:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/07(日) 15:34:29.35 ID:A57LXm1B0

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セルヤの朝 霧が出る港町はまだ暑さが残るといっても薄着では肌寒さを感じる
昨夜の騒動からこのかた反応は三者三様だった
ルイテルは動きがあれば起こしてくれと早々に用意された客室で寝てしまった。
マリアンヌとアベルはそれぞれ主人と父の帰りを待ったが途中
明日に響くといけないとマリアンヌは就寝
結局アベルは一睡もせずに日の出を迎えた。

「なんだ、随分早いな」

「昨夜から一睡もしてませんよ流石に眠れません」

「そうか、なんにせよアイツがついてる後は俺が待つから少しは寝たらどうだ?」

「ありがとうございます、でも眠れそうにもありません」

彼の目の下にははっきりとクマができている
顔色もやや青ざめている昨夜一晩だけの出来事とはいえかなり憔悴している。
今自身の相方と連絡をつける手段もない、待つしかないのだ
ルイテルも彼に続けて書ける言葉が見当たらない。

「奥様!坊っちゃん!」

「どうした?」

屋敷の使用人があわてて飛び込んでくる
アベルはそのあわてた様子を見て重ねてあせりを感じるが体が付いていかない

「エルヴさん?おはようございます」

違う、自分が言いたいのはこんなことではない

「坊ちゃん、それに……誰でもかまいませんとにかく門まできてください!奥様は?」

「多分母さんなら自室で休んでいると思うけど」

そう告げるやいなやエルヴと呼ばれた使用人はあわてて駆けていった
彼らはそのまま門へと向かう。

朝靄に包まれた中門へ近づくと人影が見える
なにやら大きな荷物を掲えているようだ
その正体が近づくごとに見えてゆく。

20m......15m......10mに来たときにはおぼろげだった姿がはっきりと見えてきたころには
アベルは無意識に駆け出していた



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