70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/28(日) 18:40:07.84 ID:S4PCQPO50
三頭の竜を見ると一頭だけ見た目が明らかに違う。おそらくソレが準騎士なのだろうとモンドは推察する。
一方の彼らは岩場の上を先回し、様子を伺っているようだ。もしくは……
「狩りでも楽しんでるつもりかねぇ?」
「そんなっ、でもどうしましょうかこのままじゃ時間の問題ですよね……」
「ルイの野郎が追いつけばまだ何とかなるが、さすがにコイツじゃあなぁ?」
手に持った銃を見つめながらつぶやく。いまだに上空には竜が円を作っている。
対抗手段はひとつ、ほかの手といえば石を投げる程度か
だが、その程度で竜のうろこを貫徹できるとは思わない。横っ腹から殴りつけるとしてもそこにあがる手立てが無い。
「万事窮すか。こっちには対抗する手段がねぇ」
「でもっ、こんなところでやられるわけには行かないんですよね!」
「おそらく連中の狙いは嬢ちゃんだ、俺にかまわず奥へ逃げなここよりも複雑に入り組んでるからな隠れるところもあるだろう」
「でもモンドさんはどうなるんですか?」
「なぁに、地面に降りてきさえすればなんとかならぁ」
「でもソレをおろす方法が……」
「なに、そのうちルイが来るさ、そうなりゃ形勢逆転だわな。ソレまで足手まといは隠れてな」
言い切ると彼女の背中を押し、自身はその場に残る。
手元にある弾倉は予備が1つしかない。やれるだけのことはやると心に決め
上方で旋回中の竜へと銃口を向ける。
見上げるといまだ優雅に上空を旋回している、その1つに向けて狙いを定め引き金を引き絞る。
乾いた音が響き、弾が竜へと一直線に飛んでゆく。
早い初速で発射された弾は瞬時に目標を捉えその体をえぐろうとするが……
キィンと甲高い音と火花を散らすだけにとどまる。
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