9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/29(月) 23:51:48.64 ID:qPBtZlOQ0
「お、すっかり晴れたな」
宿屋の店主が空を見上げながら伸びをする。昨日一日中吹き荒れた嵐は見る影もなく、雲ひとつない空が広がっている。
「お客さん、あんたの予言当たったよ。すげぇなどうやったんだ?」
「なに、匂いがしただけだ」
「匂い?」
「あぁ、コイツはななんだかよくわかんねぇがそういうカンがいいのよ言葉にするには難しいがな」
主人と嵐を言い当てた客―ルイテルとモンド―がそんな会話を交わしながら三人で伸びをしている。
「さて、店主世話になったないくらだ?」
「そうさねぇ、お前さんのおかげで嵐にも備えられたし今回はサービスでこんだけだな」
宿屋の主人が指を3本立てる
「おいおい、それじゃいつもとかわんねぇだろ?ココはそんなに高い宿だったか?」
「なに、言ってんだ。一人分サービスしてやってんだからこっちはこれがギリギリよ」
「一人分?おい、一人でそんなにとるのか?」
主人とモンドが宿代に対しての攻防を繰り広げる。
「なに言ってんだい三人から一人引いて二人分だろ?ウチはこれでも良心的な方だと思うがね」
「ん?」
「あのお嬢さんあんたたちのツレだろ?まだおきてはいないようだが」
「あぁ、そういうことかい。ま、勘違いされてもしゃーねぇし説明するのも面倒だ」
「違ったのかい?」
「勘違いされても仕方ない。説明も面倒だ、モンド準備は?」
「あぁ、できてるぜ」
「店主、世話になったな。また近くに来たときはよらせてもらう」
「あいよ、毎度アリ」
「そういやぁよぉ、俺達これからセルヤの街に行くんだがなんか気をつけることはあるかい?」
「いんや、ねぇよここから先はフリンシの本土だからな。魔物もでなけりゃ賊だってめったにはいねぇ
ここからほぼ一本で首都ハーリスだからな治安は至っていいほうさ」
「なるほどね、昨日の嵐で少々道は傷んでもまぁ何とかなるだろ」
旅支度をすませた男二人は宿を後にする。
「おい、あの嬢ちゃんは?」
「ゆっくり寝かせてやれ。なんならもう一晩泊めてやってもいいぞソレぐらいは持ってるだろう」
主人の問いにそれだけを答え、港町を後にする。
256Res/312.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。