過去ログ - モバP「こうして僕の新婚生活は始まった」
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2013/04/26(金) 21:34:49.82 ID:qMigc3jZ0
「Pさんには価値が有ります。もう、忘れないで下さいね。
だってふたりは今、幸せなんですから」
天使が僕の頬を撫でてくる。
僕はその手を取り、結婚を申し込んだ。
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2013/04/26(金) 21:38:26.78 ID:qMigc3jZ0
「はい、喜んで」
天使は大輪の笑顔を咲かせてくれた。
思えばずっと働きづめの毎日だった。先輩P達の様に心と体を壊す前に、ゆっくりと休みを取る事にしよう。
新婚旅行の名目であれば、事務所を閉じたとしても世間は納得してくれるはずだ。
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2013/04/26(金) 21:46:49.72 ID:qMigc3jZ0
「お休みも一緒に過ごしましょ♪」
天使を見つめ――いや天使ではない。彼女は僕の妻となる女性なのだから。
僕の口が開く、だけど言葉が出ない。妻の名前を呼んであげる事が出来ない。
この手で彼女を抱きしめてあげる事が出来ない。
以下略
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2013/04/26(金) 21:55:28.53 ID:qMigc3jZ0
僕は彼女を知らない――いや、昨夜は何度も愛を交し合った。
彼女は僕を知っている。ずっと昔から僕の事を愛してくれていて――昔とは何時だ?
目の前に居るはずなのに、それが誰なのかが分からない……まるで黒く塗りつぶされた亡霊の様に。
なぜだ! 彼女はこんなにも僕の事を愛してくれているというのに。
以下略
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2013/04/26(金) 22:01:48.77 ID:qMigc3jZ0
「―――、ですよぉ。貴方のまゆ、ですよぉ。
お好きでしょう? コ・ス・プ・レ♪
まゆは、貴方だけのメイドですから」
ようやく、違和感の正体に気付いた。見知らぬのも当然だ。
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2013/04/26(金) 22:10:01.24 ID:qMigc3jZ0
まゆ「貴方、まゆしか見ちゃダメです、約束ですよ♪
まゆの心も身体も……貴方のものですから……」
赤、赤、赤。眼前に広がるは真っ赤なリボン。僕が選んだ運命の赤い糸。
まゆが僕の唇に口付ける。
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2013/04/26(金) 22:22:55.56 ID:qMigc3jZ0
まゆ「まゆ……赤が好きなんですよぉ。グルグルに縛って飾って……
うふふ、ビックリしました? 貴方が来ると思ってずっと隠れて待ってたんです……
そう、ずーっと♪ ……やっと……やっとふたりきりになれましたね……うふふ♪」
それは甘い夢。
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2013/04/26(金) 22:44:06.94 ID:qMigc3jZ0
まゆ「まゆは恋の病なんです♪
血って、どんな味でしょうか?
まゆをずっと見てくださいね?」
好きな人が自分を選んでくれるのだと、その人と幸せに暮らすのだと、やってくるかもしれない幸せな夢。
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2013/04/26(金) 22:49:26.61 ID:qMigc3jZ0
『いやー、ごめんごめん。いつもありがとね。
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2013/04/26(金) 22:53:41.23 ID:qMigc3jZ0
これはなんだ。この記憶はなんだ。
Pさん、と彼女は言った。あの頃の、もう思い出せない世界で、何度も僕に呼びかけていてくれた時のように。
以下略
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2013/04/26(金) 22:59:59.83 ID:qMigc3jZ0
吼える。
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