12: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 14:57:48.69 ID:apyY2YgH0
「ちひろさん、お待たせしてすみません」
『…プロデューサーさん?メガネはしていないんですか』
「ええ、コンタクトにしました」
ここで服を買い直した、とは言わなかった。
映画の後、お酒の席へ誘えたなら、話の種にしよう。
「あ、映画を調べてみたんですが、これが評判がいいらしくて」
ぼくは調べたことを彼女に伝えた。
なら、それにしましょう。楽しみです。
そう言ってくれたので、映画館へ向かった。
ぼくは、さりげなくチケットを2枚購入し、当然のように渡した。
ちひろさんは一瞬申し訳なさそうな顔をしたが、すぐに笑ってくれた。
ここは譲るべきだと判断してくれていたのだろう。
本当に聡明な女性だと思った。
パンフレットや飲食物を整え、ぼくはちひろさんの隣に座った。
腕置き1つを挟んでいるが、その距離はぼくには近すぎた。
腕を乗せると、彼女の腕にあたってしまいそうだった。
思春期の中学生のような思考だが、仕方がない。
そして、映画がはじまった。
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