20: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 15:02:05.56 ID:apyY2YgH0
小さなネックレスだった。
1万円くらいのネックレスで、ハート型をしていた。
彼女は愛でるようにそれを見て、ぼくに気がついた。
『あ…す、すみません。行きましょうか』
ぼくはそれを確認し、ちょっと待っててください、と告げた。
そのまま店に入り、ショーウィンドウのそれを注文した。
包装なさいますか。尋ねられたが、断っておいた。
店を出て、ぼくはそれを手渡した。
『い、いえ。そんな。ごめんなさい、そういうつもりでは…』
「ぼくが持っていても、仕方がないので。もらってください」
これではどうみても好意を伝えているようなものだが、気にしていない。
ぼくは彼女に好意を抱いているのだ。ならば、当然だ。
彼女も戸惑いながらも、それを受け取った。
『ありがとうございます。大切に…大切にしますから』
彼女はすぐにそれをつけて、ぼくに見せてくれた。
ちひろさんの細く白い、美しい首筋に、それはよく映えていた。
こう喜んでくれると、ぼくもプレゼントしたかいがあったというものだ。
『じゃあ、行きましょうか。プロデューサーさん』
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