23: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 15:03:43.80 ID:apyY2YgH0
それから4日後の木曜日、ぼくたちは集まっていた。
アイドル合同ライブの成果が、あまりにも大きかったのだ。
以前話したディレクターや、スタッフのみなを集め、酒の席についた。
その中には、社長もちひろさんも同じ席についていた。嬉しかったが、心配だ。
アイドルたちは、アイドル同士で交流をはかり、同じ店の違う席にいる。
年長組のみなは、また別の席で違う話題で盛り上がっていた。
ぼくたちはぼくたちで、番組の成功を祝い、乾杯。
成功の喜びからか、慣れない大規模な呑み会でも、箸は進んだ。
肴が美味だったというのも一因だが、ぼくも喜びを噛み締めていた。
社長は番組の上司と顔を合わせながら談笑している。
彼女は忙しなく、みなに酒をついでいた。
申し訳なくなり、ぼくも隣のスタッフの方に酒を注いだ。
そして、みなのテンションも最高潮になってきたころだった。
前述のディレクターが悪酔いをしていた。
そして、店に響き渡る大きな声で言った。
「千川さんって、すごく美人じゃないですか。彼氏とか、いないんですか」
彼…つまり、ディレクターだが、彼はとても端正な顔立ちだ。
局にいなければ、今頃モデルになっているだろう。
そんな彼が、彼女に声をかけるのか。
けれど、ぼくは彼女の何者でもなく、ただ口を閉じるしかなかった。
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