過去ログ - モバP「夏の上に夏を重ねて」
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28: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 15:06:24.26 ID:apyY2YgH0

『ほら。隣のスタッフさんと、楽しそうにお話していたでしょう』

確かにそんなこともあった。
ぼくは、気にも留めていなかった。
あれだけで、彼女はぼくに嫉妬していたのか。

その言葉の意味がわからないほど、ぼくは愚鈍ではなかった。

思い違いであれば、笑い話で済む。
けれど…そうでなければ、お互いが一歩を踏み出せる。
そのためならば、ぼくは可能性に賭けてみることだけを選んでいた。

「…なら、ちひろさん。よかったら、5日後。また、来ませんか」

『はいっ』

『絶対、ですよ』

「ええ」

『楽しみにしていますから』

ああ、ぼくはなんと愚かな勘違いをしていたのだろうか。
恥が恥の範疇を超え、ぼくの中で大きくなった。
それと同時に、胸が幸福感に包まれた。

ぼくは、彼女のおかげで変わることができたのだ。




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