5: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 14:53:23.00 ID:apyY2YgH0
「ちひろさん!」
『プロデューサーさん?』
『どうか、したんですか』
彼女の純粋な問いに、一瞬頭が真っ白になった。
恋愛というものは、どうにも難しいものだ。
…けれど、ここで勇気を振り絞らねば。
「ええと、その…よかったら、呑みに行きませんか」
「今まで、2人で行ったこともありませんでしたから」
「ああ、よければ、でいいんです…よければ」
ぼくの最大限の勇気がそれだった。
もっと上手く誘える人もいるだろうに。
『いいですよ』
ぼくは間髪入れぬその返答に驚いた。
誘っているのはぼくだが、驚いてしまった。
すぐに間を開けぬよう配慮し、言葉を続けていく。
「店…どこにしましょうか」
誘っておいて、考えていなかった。
ぼくはいい店、というものをほとんど知らない。
その延長線として、私服のセンスもあまりよくはなかった。
『あ…なら、今回は私のオススメのお店で』
申し訳ないが、ぼくは、彼女に甘えてしまった。
今度からは、店を調べておかなければ。
ぼくはちひろさんと肩を並べ、歩き出した。
64Res/47.82 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。