11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/04/27(土) 01:11:45.28 ID:Twdko/5W0
翌日
俺はいつもより早めに出た
教室になるべく早くに到着するためだ
到着すると、すでに生徒玄関は開けられていて、外靴から上靴に履き替える際に、自分のクラスメイトの出席番号が書かれた下駄箱を確認し、胸を撫で下ろした
まだ、クラスには誰も来ておらず、俺が一番だったからだ
昨日帰ってから机に向かって書いた手紙を桜の机の中に、誰にも見られないようにする為、一番に来る必要があった
俺は間違えないように教壇の机の上にある席順が書かれた紙見て確認してから、桜の机の中に手紙を入れた
ここでようやく緊張から解き放たれ、自分の椅子に寄り掛かり、安堵の息を吐いた
すこし時間が経つとぞろぞろと他のクラスメイトが登校してきた
皆、俺が一番に早くに登校しているのが珍しかったらしく、「なんで翔こんなに早く来ているの?珍しいね」と何人にも言われた
普段は一番か二番に遅いから、そう言われてしまうのも自分ながら頷けてしまう
ホームルームが始まる10分前に桜が登校していた
俺はなるべく意識しないようにしていたが、結局無理で目で追ってしまう
周りに悟られまいと、平然を装ってはいたものの、やはり手紙に気付いてくれるかが気になっていた
でも、前の席の男子や横の女子はこの時、俺が桜を見ていたのをなんとなく気付いていた様で、のちのち話題の種にされるのは避けられなかった
彼女が席に着くと、鞄を下ろし、周りの友達と話しこんでいた
まだ気付かない桜
俺はなんだかじれったくなってきて、体がむず痒くなるような苛立ちを覚えた
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