過去ログ - 【Fate】アースセル「聖杯欲すれば勝ち残れ」【安価とコンマで聖杯戦争】 -SS速報VIP

過去ログ - 【Fate】アースセル「聖杯欲すれば勝ち残れ」【安価とコンマで聖杯戦争】

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896: ◆1L03mUOnkY[saga]
2013/04/28(日) 02:00:22.43 ID:RXBrBHyKo

目が覚めた時、貴方は月を見上げていた
そこは、静かな草原で、貴方は身体を大の字にして倒れていた

カバンの中には、地図とコンパスとよく解らない機械と童話
それ以外、何も無かった

それが貴方の始まりだった

そうして、1年が過ぎた
貴方は身体を起こしてバイト先に向かう

大家は優しい人だった
戸籍も無い、身元不明の自分に部屋をくれたのだ

バイトは週5日、スーパーで働いている
このスーパーも大家に紹介してもらった

「お、兄ちゃん！1カ月ぶりじゃないか！」
「今回は何所に行ってたの？」

久しぶりに帰った貴方は、こうしてバイト仲間に冒険譚を綴っていく

貴方の職業はなんだと言われれば…
フリーター兼冒険家

何故、そんなことをしているのか？
何故だろう、世界を観てみたい
そう思ったから。

後の事は解らない、ただ一つだけ言えるのは…
自分は、『記憶喪失』という奴なのだ

貴方は、1年前に月を見上げていたあの日以前の記憶を保持していない
医者からは、一時的な『記憶喪失』と診断された
幸い、この国の言葉である『日本語』と世界の標準語である『英語』は話せるみたいだ

記憶が無いなら仕方がない。貴方はやりたいことをやることにした
纏まったお金が出来るまでバイトして、旅に出る
日本は端から端まで、世界は5大陸は制覇していない
様々な遺跡を冒険して、価値ありそうなものは二束三文で売り払う

目的の無い旅、大いに結構だ
だって、自分は何も知らないのだ。限界も知らないし無理も知らない

知らないなら、確かめに行こう。それが今の自分だ

キャスター「前向きで、何でも出来て、記憶喪失だ？」
キャスター「なんだそれは！そんな分け在り系主人公など！」
キャスター「需要も無ければ供給も無いゴミクズだ！」

そうして、有って早々『キャスター』からダメ出しを喰らう貴方
本当に、こう顔を合わせた瞬間から

キャスター「そんな完全無欠の主人公様が俺のマスターとはな」
キャスター「なんて悪夢だ。なんて屈辱だ」

一旦溜息をついて、本を取り出し手を差し伸べる『キャスター』

キャスター「手を握れ、俺は読者には寛容だ」

貴方はそうして、差し伸べられた手を握る
握った手が熱い、手の甲には紋様が記された

キャスター「契約成立だ。喜べ能天気！俺はこれからお前を綴り、そして語り部となろう」

憎たらしい笑顔で『キャスター』はそんな言葉を言う

…ところで『キャスター』

キャスター「いきなり質問か？主人公様は随分と遠慮が無いな」

―――聖杯戦争って何だ？

貴方は、血に塗れた殺人現場の中でそう呟いた

聖杯戦争：開始

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