過去ログ - ジャブローで撃ち落とされた女ジオン兵が…
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12:キャタピラさん ◆EhtsT9zeko
2013/04/28(日) 02:50:06.63 ID:mfe01pas0
 私たちは揃ってコクピットから降り立った。兵士は全部で5人。どれも男。近くにはジープも止めてある。揃いも揃って、小銃を携行している。撃ちあったって、特殊部隊員でもないただのパイロットの私に勝算はない。

「まぁ、とにかく乗れよ。本部には連れてってやれねぇが、ちょっと行ったところに、シェルターへの入り口がある。市街地区だが…情報部隊

と輸送隊が出張ってきているはずだ。本部なり基地なり、そこからトラックの荷台にでも積んでってもらうと良い」

「あぁ、助かるよ!恩に着る!」

アヤはそう言うって大仰に礼を言った。

「シェルター?」

「ああ。ジャブローのほとんどの施設は、安全のために地下に造られてるんだ。軍人やその家族なんかが居住してる地区ってのもあって、どうやらここはその近くらしい。好都合だ。軍人も一般人もいる場所なら、まぎれやすい」
私たちは小声で話をしながら車に乗り込んだ。

 荒れ道に揺られて1時間ほど。時折、車を止めて、兵士たちがあたりを見回り、戻ってきては発車するのを繰り返しながら、シェルターの入り口、と言うところにたどり着いた。もっとこじんまりしたものを想像していたのだけれど、山をくりぬいたようなところに大きなコンクリート製の門のようなものがあって、そこから伸びる幹線道路のような坑道が奥へ奥へと続いていた。

 「おお、バーンズじゃないか!どうした、もうパトロールは終わりか?」

コンクリートの門の脇にあった軍の検問兵が車を呼び止めた。

「いやぁ、途中で撃墜されたパイロットさんを見つけてな!オメガ隊の連中だ!」
「あぁ、あの、不死身の飛行隊か。噂通り、強運の持ち主だったんだな」
「ははは、どいつもこいつも、臆病なだけさ!危なくなったら逃げる!ただそれだけだよ!」

アヤがそう言って笑う。

「だはは!違いない!」
「中まで案内した方がいいと思うんだが、構わないかな?」
「あぁ、ちょうど2時間もすれば、司令部からの補給隊が来るはずだ。それまで、どこかで休んでいると良い」
「ありがたい」

そう話があった、車は坑道の中へと進んでいった。外から入った瞬間は薄暗く感じたが、すぐに、天井の照明が煌々と灯り、あたりを明るく照らし出した。そこから30分も走ると、目の前には大きく開いた空間が現れ、その中には大きなビルがいくつも洞窟の天井に向かって伸びている。

 ビルの間を通る道には人々があふれ、お店やなんかもたくさんあるようだった。

 あまりの光景に私が呆けて見回していると、アヤがぺしっと私の膝をはたいた。

「あんま、きょろきょろすんな。怪しいぞ」

「あ、ご、ごめん」

アヤに言われて一度は視線を足元に戻すも、やはりどうしたって周囲の光景に目が行ってしまう。


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