過去ログ - ジャブローで撃ち落とされた女ジオン兵が…
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26:キャタピラさん ◆EhtsT9zeko
2013/04/28(日) 12:26:25.32 ID:mfe01pas0
「…うん」

「戦場でさ、味方すら、自分を置いて逃げ出すかもわからないあの場所で、アタシの言葉を信じてくれた。

 それはすごく大切なものだと思うんだ。

 敵と味方に別れちゃってるけど、あんたが味方なら、きっとこんなに信頼で来て頼りになる人はいないだろうって思った。

 あのときは敵と味方だから、それは出来ないって思ってたけど、あんたがMPの連中に連れてかれるのを見てて、気が付いた。

 敵と味方に分かれてるんなら、まずはあんたの味方になればいいって」

「でも、それじゃぁ、あなたが連邦の敵になっちゃう」

「あー、だから、そこのところで相談なんだ。アタシは、別に連邦が好きで軍にいたわけじゃないし、

 いくらでも逃げ切る自信はあるから、構わないんだけど、問題は、あんたの方だ」

「私?」

「うん。アタシと一緒にいるってことは、アタシが連邦の敵になるのと同じで、

 あんたもジオンの敵になるかもしれないってことだと思うんだ。あんたは、それでも良いか?」

「…」

私は返事ができなかった。

ジオンを裏切るなんてことは、考えもしなかった。

家族はみんな、ジオンのために尽くして、命を落としていった。

それが、誇らしいことだと思えていたから。

だから、ジオンを捨てることは、私の家族や私自身の信念を捨てる様な気がした。

「ごめん、それは、すぐには答えられない」

「あーまぁ、そうだろうな。軍人の家系って言ってたし」

私の答えに、アヤはすこし残念そうな顔をして返事をした。でも、すぐに笑顔で

「でも、とりあえず、アタシは、あんたのためにアタシのできることをするよ。
 
 その途中か、それが終わってからか、アタシといることで、ジオンを裏切るような事態になりそうだったら言ってくれ」

なんてことを、こうも簡単に言うんだろう、彼女は。



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