過去ログ - ジャブローで撃ち落とされた女ジオン兵が…
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53:キャタピラさん ◆EhtsT9zeko[sage]
2013/04/29(月) 22:24:01.19 ID:IQ+37yxC0

もとはと言えば不用心な私のせいで、しかも、守ろうとしてくれたアヤに一方的に怒りをぶつけてしまった…

「うん…バカやった上にあんなに怒っちゃって、ごめんね」

「いいよ」

「仲直りでいいかな」

「うん、もうケンカはおしまいにしよう」

アヤはそう言ってそっぽを向いた。顔がちょっと赤い。目もなんだか潤んでいる。

なんだかその様子がおかしくて、思わず笑ってしまった。

その時になって初めて、私自身は目を潤ませるどころか、ボロボロと涙を流していたことに気が付いたのだった。


 「だとしても、だ」

アヤが一息ついていった。

「うん、そうだね」

そう、アヤの言うとおりだ。

 さっきの女性。明らかに、普通じゃなかった。ぱっと見はただの観光客だったけれど、そうではなかった。

全身からほとばしる緊張感と警戒感。あれは確かに、すべての感覚を総動員して何かを察知しようというという雰囲気そのものだった。

それこそ、廊下の角の向こう側、姿を見せる前から感じるほどに…

 「あいつは、スペースノイドだったなぁ」

アヤが言った。それには少し驚いた。

「どうしてわかるの?」

「ん、いや、違うかもしれないけど。昔から、あぁ、こいつはスペースノイドだなってわかる雰囲気があるんだ。

全部のやつがそうってわけじゃなかったし、なんとなく、だったんだけど。

レナと一緒に過ごしているうちに、なんかその辺の感覚が研ぎ澄まされてるのか、

地球の人間と、スペースノイドの差を明確に感じてきているのかもしれない。間違いなく、あいつはスペースノイドだ」

私はそんな雰囲気のことは良くわからないが、少なくともあの女が、普通の観光客の雰囲気ではないことは感じられていたから、

アヤの言葉にもなんだか納得がいく。

「スペースノイド、ってことは、ジオンの?」

私が尋ねるとアヤはポリポリと頭を掻いて

「可能性はあるよな。でも、だからこそ、ことさら連邦の人間かもしれない。

スパイ狩りをしたいんなら、地球人よりもスペースノイド同士の方が警戒感を持たれずに済むだろう?」

と考えを聞かせてくれた。

「確かに…」

私は息をのんだ。



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