2: ◆jPpg5.obl6[saga sage]
2013/04/28(日) 23:47:54.42 ID:zcZSWxw+0
それは丁度、本を読み終えて眠りに着こうとしていた夜の話です。
佐天「うーん、何だか誰も救われない最期だったなー。冒頭で死んじゃうことは書いてあったし、あんまり明るい話ではないって分かってはいたけど......ね」
佐天「親からの暴力を愛と感じるのもあれだったし、自分は人魚だなんて周りに言うもんだから友達も出来なかった訳だし......ただ酷い目に遭ってただけだよね」
佐天「お兄ちゃんだって、折角持ってた神々しさが無くなってただの口下手に成り下がっちゃったしさ」
佐天「結局、実弾は撃てるようになったのかな? ......まあいいや 」
佐天「この本、私にはまだ早かったかも。内容もあんまり理解できなかったしね」
この本を棚に戻すと、この間通販で届いたものを詰めた棚に目を向けます。
佐天「さて、お次はどの本を読もうかな。軽い感じでキケンとか、気合入れてドグラ・マグラに挑戦するか、はたまたサイコに悪の経典か......」
佐天「......いや、今日はこれくらいでいいかな。もう11時だし、早く寝よっと! 」
そんなかんじでベッドに潜り込み、部屋の電気を消したのですが、私はそこで奇妙な感覚に襲われました。
何だか、全身が締め付けられるような気がするのです。締め付け自体はそこまで強くありませんでしたが、身体を動かす事はできませんでした。
しかし、布団の感触は感じられていることから、感覚が麻痺している訳ではなさそうです。
......麻痺していたらどんなに良かったでしょうか。私は、自分の上を何かが通ったような感じを受けました。何だかこう、フワッとする感覚です。
そして、何処からかボソッと呟きが聞こえ、私はさらに縮こまる結果となりました。はっきりとは聞き取れませんでしたが、確かこんな事を言っていたと思います。
『通りますよ』
そして、
『お届けものです』
この二言です。
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