52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/05(日) 12:24:45.87 ID:3I1UUjpc0
世の中には二通りの人間が存在する
目に見えるものを信頼できるか否か
男はどちらかと言えば、目に見えるものしか信頼しない男だった
例えば、営業であがる数字
例えば、過去の流行のデータ
朝のニュースで流れる今日の占いだとか、そういったものも彼にとっては無用な情報だった
ある日までは……
---
「うん、いいな。今日のレッスンも順調だ」
短めの黒髪にややこけた頬
男は上下とも黒のスーツに身をんでいる
とある芸能プロダクションのプロデューサー
やや特殊なその職業が彼の仕事だった
「凛、お疲れ様。また腕を上げたんじゃないか?」
目の前の少女の注意を引こうとプロデューサーは右手を上げ、声をかけた
少女の黒く瑞瑞しい黒髪が揺れる
彼女の大きく涼やかな目と視線があった
「卯月?もう収録終わったの?」
しかし、少女の視線はプロデューサーの顔を通り過ぎた
「うん。今日はするする進んだんだ!凛ちゃんもレッスン頑張ってるんだね!」
彼の傍らにあったレッスン室の扉が開いている
プロデューサーが彼女達と話すことはもうないのだ
1002Res/524.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。