77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/08(水) 16:09:09.34 ID:y9M/z2Za0
加蓮ちゃん3レス
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ああ、ここを訪れたのは何度目になるだろうか。
最近こそ回数は減っていたが、今回に関しては無理もない。
室内温度と湿度を保つ為に重ねて設置されている自動ドアをくぐる。
どこまでも白く眩しいリノリウムの床の上を歩く。
全てを浄化するかのような、一点の曇りのないリノリウム。
受付でいつものように、彼女の名を告げる。
顔を覚えてくれているのか、にっこりと笑って対応してくれる。
エレベーターで目的の階で降り、廊下を歩く看護士に会釈する。
降りてすぐ、左にある小窓からは、月の光がこぼれていた。
俺はこれで本当によかったのだろうか、と思案する。
最近の彼女は、以前のようではないとはいえ、それでも。
アイドル活動を、心から楽しんでくれているように見える。
けれど、その分、苦しみを負うリスクが増えているのだから。
こんな事を加蓮に伝えれば、間違いなく怒るだろう。
入院している部屋の前に着く。表札には北条とだけ、記載されている。
名を馳せてきた今、ファンがお見舞いと称して押しかけないように。
呼吸を整え、ドアをノックする。まだ起きているだろうか。
「どうぞ」
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