22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 12:07:06.48 ID:kADqiJRHo
菫「走れっ!」
宥「へ――」
菫「くそっ、あいつらこんなところまで」
宥「あっ、あ」
菫「そんなに私を殺したいか」
玄の首を大事そうに抱える宥はずいぶんと走りにくそうに見えた。
でも、それを捨てろだなんて言って、宥はうなずくだろうか。いや――。
もう一度、一瞥くれると、宥の下半身は玄から流れ出た血で赤黒く染まり、その光景は狂人の様であった。
このままでは狼達に追いつかれる。
菫「宥。それを、」
次の言葉が出てこなかった。
宥に玄の死を認識させることはどれほど困難で苦痛を伴うか、想像せずとも理解は容易い。
宥「?、なんでしょう?」
菫「置いてくれないか? 走るのに……邪魔だから」
宥「何を?」
何を。
玄の首以外に何があると言うのか。
菫「――なんでもない」
ハッハッハッ
菫「!?」
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