25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/02(木) 12:11:54.85 ID:kADqiJRHo
――楽しい。
場違いな高揚感に身が悶える。
積み重なったストレスと死への恐怖に、菫は感情と身体のすべてを先祖返りさせていたのだった。
四十匹を殺した。
臓物と糞尿の臭いで嗅覚がイカれたが、体中を返り血で染まった菫にはどうってことはない。
菫「どうしたぁっ! 来い!」
怖気づき始めた狼達に一喝する。
その姿に今まで存在しなかった優越感と淡い軽蔑の笑みを向けた。
油断。
菫「――!」
足元に電流が走る。振り向くと下半身を失った一匹が懸命に菫の足首へ噛み付いていた。
菫「くそ、」
ふくらみきった始祖のプライドが、予想外の出来事に菫を激昂させた。
それを機に半径を100メートルまで拡大していた六感がふつりと切れたのだ。
一匹が気付いた。これは好機に違いない。
菫が一矢報いたそいつを踏み抜いた時、猛襲する二匹の存在に反応することはできなかった。
菫の片腕は牙でもがれ、首筋に爪が走った。
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