20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/05/02(木) 13:01:35.57 ID:3+/L7r7C0
俺は頭を下げていた。
すみません。申し訳ありません。
苦言を呈されるのは俺だけでいい。
彼女に…喜多見柚に、何の罪もない。
「ごめん、なさい…アタシ、失敗しちゃった」
事務所へと続く道程を走る車の中、彼女はぽつりと呟いた。
いつもの活発な彼女の姿は、そこにはなかった。
『気にしないでいいよ。あれは…俺のミスでもあったんだ』
『ちゃんと、仕事の趣旨を確認出来てなかったから』
『ほら、すぐに次の仕事取ってくるからさ。頑張ろう!』
「…うん」
俺は彼女を慰めようと、気分を切り替えたが、失敗に終わった。
きっと…俺への責任を感じているのだろう。
そんな顔はさせたくない。
『………』
『あ、俺…用事があるんだった。柚、付き合ってくれ』
「いい、よ」
このまま帰っても、俺は残業をするだけだ。
それに、彼女を放ってはおけない。
俺の睡眠時間を削って、彼女が笑ってくれるなら…この程度、安いものだ。
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