30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/05/02(木) 13:40:28.73 ID:3+/L7r7C0
【幸子の前で他のアイドルに可愛いと言い続けてみる】
輿水幸子。
接頭語に自称・カワイイ、自称・天使などが着く。
一人称はボク、と言った感じに可愛らしいアイドルである。
ただ…芸能界では少々謙虚さが必要になってくる。
確かに文句のつけどころのない美しさだが。
そして、俺は考えてみたのだが。
幸子の前で他のアイドルに可愛いと言い続ければ…どのような反応をするのだろうか。
早速やってみようと思いたち、アイドルたちに事情を話した。
なるほど…確かに。なんだか納得していた。
きっと興味があるのだろう。
幸子は事務所のソファで雑誌を読んでいる。
そのふしぶしに、ボクには似合いすぎます、との呟きが聞こえる。
ふう。深呼吸を終え、アイコンタクトで開始の合図を出し、俺は大きな声で言った。
『可愛いな』
ぴくり。
幸子の肩が震える。
俺は目線を逸らしている。
すごく見てる。
誰のこと?という視線で。
そしてまた雑誌に視線を落としていた。
『…可愛いな』
ぴくりぴくり。
明らかにこちらを見ている。
だが俺は見ない。決して見ないぞ。うん。
『ああ、可愛い。撫でさせてくれ』
アイドルの頭を撫でていく。
俺の方を向いているアイドルは吹き出しそうであった。
誰もが肩を震わせているが、幸子の目にはどう映っているのであろうか。
よし、行ってくれ、と目で合図し、アイドルたちは行ってしまった。
そしてすぐに幸子がこちらに来る。早い。早すぎる。
俺の顔を正面からじっと見つめ、言った。
「んっ!」
『………』
頭を突き出す幸子。つむじが見える。指でつついた。
「違います!んっ!んっ!」
意味が分からない。つむじを披露して何があるのか。
「………」
「ボクには…言ってくれないんですか、カワイイ…って」
落胆していた。なんだか可哀想になってしまった。もうやめよう。
幸子の頭に手をやり、優しく撫でて謝った。ごめんな、と。
そして、心を込めて幸子に可愛いことを告げた。
『…幸子は、可愛いよ』
彼女は嬉しそうに目を細め、にっこり笑って言った。
「ええ」
「ボク、カワイイですよねぇ…」
スカイダイビングの刑に処することにした。
おわり
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