過去ログ - モバP「お題でSS」
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82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/05/02(木) 16:25:51.80 ID:3+/L7r7C0

【Pさん大好き藍子ちゃんのゆるふわデイズ】

俺は高森藍子と席を共にしていた。

昼食を共に、と彼女に誘われていたのだ。
こうして顔を合わせるのは珍しくない。
最近増えてきているくらいである。

『今日も、いい陽ざしですね…お散歩とか、気持ちよさそう』

「うん。そうだな」

夏を前に、からっとした涼しい風が吹き抜ける。
それと同時に店の周りの木々も楽しそうに揺れていた。
少し錆びたドアベルの音も、俺の心を落ち着かせてくれる。

『この時間が終わったら、お仕事です…楽しみです』

彼女はくるくるとパスタを巻き、上品に口に運んでいく。
俺は手元のサンドイッチに口をつけ、冷たいコーヒーを流し込む。
熱いそれとは違って、口の中で香りが広がっていくのだ。ああ、この雰囲気。

最近…彼女、高森藍子と過ごす、この昼食の時間が…待ち遠しいのだ。

彼女の持つ独特の雰囲気。誰もを癒すかのような声。
このような落ち着いた開放感のあるカフェには、彼女の姿が似合う。
そこに言葉は無くて、けれど…気まずい間ではなくて。それが、俺には楽しかったのだ。

『あ。とっても美味しそうなお菓子が並んでます。買っていっちゃいましょうか』

「うん。みなで食べるのも良さそうだな…俺が買っていくよ」

『え?あ、そんな…でも、甘えちゃいます』

「あはは、そうしてくれ」

俺と藍子は席をたち、いくつか藍子のセンスでお菓子を選んだ。
彼女はお菓子作りにハマっているようで、その腕は確かだった。

『では、行きましょうか』

「ああ」

店に軽く響くドアベルの音を背に、俺たちは木陰を歩き出した。
もう、夏はすぐそこだ。それを告げるように、風が吹く。

『風が吹くと、気持ちいいですね』

ああ。彼女に笑顔を返すと、また、にっこりと笑ってくれた。
だから、俺はこの時間が楽しみなのだ。
そして、続けて言った。

『Pさんの笑顔を見たら、疲れも吹っ飛んじゃいます!』

俺と彼女は、頬を染めながら笑いあった。
そして…彼女は、さらに続けた。

『Pさんにこんなこと言ったらアイドル失格かもしれませんけど』

『私…やっぱりあなたの笑顔が大好きですからっ!』

「………」

「ありがとう」

そう。事務所に帰る間だけ。たった、数十分だけだ。
そんな彼女との日々を…大切にしたいと思っている。

俺と彼女は、誰にも見られないように指を絡ませ、事務所へと歩を進めた。

                            おわり




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