過去ログ - とある実験の一方通行
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2:梨と桃の楽園  ◆TspHqBVqH9jK[saga sage]
2013/05/02(木) 17:37:48.23 ID:2mlDnO+jo
「時刻は午後8時25分。
お前が次の標的でいいンだな?」

「はい、ミサカの検体番号は一〇〇三二号です、とミサカは答えます。
ですがその前に符丁を確かめるのが妥当では?、とミサカは助言します」


操車場の暗闇の中、二人の男女の声が響く。
両者の声はどちらも落ち着いていたが
少女の声は感情がなく、少年の声には退屈さが感じられた。


「ミサカネットワークだっけか?
感覚共有もできるって話だよなァ?
何でお前は死ぬのが怖くねェンだよ?
感情が希薄とかそれ以前の問題だろ」

「実験中はミサカネットワークは遮断しています。
よって、死ぬという痛みが理解できませんとミサカは答えます」

「分からないにしても昨日まで普通に会話してた仲間が死んでるンだぜ?
何の価値も見いだせずに死ンでいく。
お前はそれに何の疑問も思い浮かべないわけ?」

「価値ならあります、とミサカは答えます。
絶対能力進化こそミサカの存在理由なのです、とミサカは断言します」

「……そォかい、なら死ね。
ちょうど時間みたいだしよ」

「了解です。これより第一〇〇三二回実験を開始します」


午後八時三〇分、誰も救われぬ『実験』が始まった。



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